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そこにあった文字に、今度は私が目を瞬かせた。
『ウノは苗字ではございません』
「えっ!
てっきり、“宇野さん”だと思ってたのに!」
恥ずかしさに目を回し、慌てふためく私を見て、ウノさんは懸命に笑いを堪えている。
勘違いで赤っ恥をかいてしまったけれど、ちょっとだけ心の距離が縮まったような雰囲気だ。
これぞまさに、怪我の功名。
喜びの笑顔を向けると、ウノさんはタブレットをしまって、人差し指をスッと顔の前に立てた。
(内緒って意味のサイン……?)
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