おまけのshortstory

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Gナンバーの人間が、公的組織の前に現れることはない。 常に闇の存在として暗殺を繰り返すためには、名が知れたとしても表に出れないのだ。 だからこそ、要が捕まったときも観察に徹し、隙がないか見ていた。 倉原に会うなどもっての他。 確かに生きていたら会わなかった。 要が死んだから会えたんだ。 「…要…俺が倉原を殺そうとするって…知ってたのか…?」 「ええ。あなたはそうやって彼女に近付くと思ってました。 だけど、彼女は私の思惑に気付き、あなたの存在を受け入れ救うだろうと計算していました。 そして、あなたが彼女を殺さないことも。殺されそうになったときは、あの三人が守ってくれるだろうと。」 「…そこまで…計算してたのか…」 「あなたが殺されることも、倉原さんが殺されることも嫌だったんです。 概。私は新しい世界を倉原さんに習い、幸せに生きて欲しかったんです。 ずっと辛い生活でしたから。それを強いていたのも私でしたから。…私なりの懺悔でした。」 「…ッッ!……バカヤロー!」 「…概。すみません。」 「お前がいなければ意味がない!」 「いいえ。あなたの心は私では癒せませんでした。倉原さんがいたから癒せたんです。 …自分自身でもお分かりでしょう?」 …否定したいが否定できない。 あれほど安らいだのも、笑顔になれたのも、落ち着いて眠れたのも、 …倉原心が俺と一緒にいてくれたからだ。
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