治まらない動悸

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「…皆川の腹心の部下?…またあいつはいろんなところから考え出す奴だな。」 「皆川の傘下組織の報復の線は考えてたけど。既に始まってるっぽよね。」 「そこだよ。ちょっと違うと思わねぇか?」 「まーね。つまり心は、腹心の部下とやらが単独で仕返しに来るんじゃないのって思ってるわけだ。 でもさ蒼依。単独で動いたとしても、PSPに敵う相手なのかな?」 「自意識過剰は身を滅ぼすぞ。成。」 「そういうんじゃなくてさー。」 「皆川の傍にいてPSPの力量を理解している奴がノコノコ出てくるか?ってことだろ。」 「あったりー。」 「仮に出てきたら?そいつは相当な自信の持ち主ってことじゃないか。」 「そりゃそうだけど。自信の持ち主が皆川の傍でうろちょろしてた形跡がないんだよねー。」 キャスター付きの椅子に乗ってグルグル回りながら呟いた成。 こういう間合い、成の頭がフル回転中。 黙って陸と二人、その様子を眺めていると、ピタッと動きが停止した。 「あ、あった。」 「マジか!」 「うん。二つもあった。」 「で?それは?」 「一つ目。リチャード・ボンズ暗殺疑惑。お前が言ったんだろ?蒼依。自殺は疑わしいと。」 「……あ!」 「二つ目。ペンタゴン元職員、アイザック・リーガーとアルバート・ジョンソンの件。 一人は殺され、一人は保護中。 何者かに消された。俺らはそれが皆川の刺客だと予測していただろ。 しかし結局刺客は発見できず。…怪しいだろ?」 「じゃあ…その腹心の部下って暗殺専門か?」 「陸、断定はまだ早い。」 「ああ。徹底的に調べろ。陸、お前はその頃の皆川の動き。成は皆川の関係者全員の中から怪しい奴をピックアップして報告しろ。 それまで分かればlevel5を開く。心が動き出す前に動きまくれ。」 「「yes sir」」 2主任が出ていった隊長室で一つ息を吐く。 とにかく調査が先。 しかし、もう一つ気になるのは 「……38人のPSP……」 どういう意味だ?
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