治まらない動悸

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『うわー。化け物!見たか?今の。』 『見た見た。人間じゃない。15,6m辺りから飛んで空中でいろんな動きして身体を窓から捩じ込んだぞ。』 『窓、50×50cmだぞ。上空から見たら豆粒だ。マジで変態。』 「…うるさいぞ2主任。機長、はじめまして。ご協力感謝致します。ここから絶対に動かないでくださいね。直ぐに終わらせます。 …A班。上がったか。」 『A班倉原。上がりました。南くんは貨物室にて待機中。CAにも協力求めました。』 「ラジャ。…心、銃口を狙え。」 『ラジャ。』 「後は俺が片付ける。いいな?」 『大丈夫。信じてる。……ご命令を。』 「…作戦を決行せよ。3,2,1、Go!」 『…PSPです!!全員床に伏せろ!!』 合図と同時に後方から彼女の声が上がる。 客室から悲鳴。そして銃声。 彼女の声を聞き2秒カウントしてコックピットのドアを開け放つ。 彼女の位置を確認。その銃口が向いている場所へ鏡のように銃口を向ける。 彼女が放つ銃にミスはないという確信の元、ほぼ同時に背中を見せた犯人に俺も弾を撃ち抜く。 そしてその中で客席全員に目を凝らす。 「31F!10B!」 「ラジャ!CAさん!ドア開けて!」 「大崎班!入れ!」 『ラジャ!』 『機動隊突撃せよ!周りを固めろ!乗客誘導!』 5人の犯人の銃口を彼女が撃ち抜き武器を使用不可とさせ、俺が足を撃ち抜き行動不可にさせる。 乗客の中から命令に背き伏せることなく目を光らせる犯人グループと思われる人物を特定して確保に向かう。 彼女は前もって協力を願ったCAにドアを開けさせ、同時に自分が近い31Fに向かって背凭れを橋にして飛び越える。 待機中の大崎班を中に入れながら、俺も10Bへ向かうと、タイミングよく成が機動隊へ命令を出す。 大崎班が犯人全員取り押さえたのを確認。 「…こちら大崎。制圧完了。」 客室から拍手と歓声が沸き起こった。 A班が飛行機に足を着けてから"制圧完了"のコールまで、13分20秒の指令内容だった。
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