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有り得ない話ではない。
裏組織は大抵役割が決まっている。
組織を統括する者
その幹部と側近
金を稼ぐ者
物資を調達する者
組織を拡大していく者
そして、消していく始末屋
「…成はなぜサバイバルと断定を?」
「消えていく子供。戻らない子供。それだけで十分だと思うが?」
「他には?」
「…ま、残忍さが目立ち始めたんだと。しかし、忍者のように痕跡がない。」
「…単独で消しているのか?」
「その線が高いと。そうなるなら、子供の頃から殺人の英才教育を受け、トップレベルに君臨する始末屋というビジョンが出来上がる。
その子供たちはキルゲームで仲間を殺し合い、殺人への恐怖と抵抗を失っていく。
無慈悲で心を持たない始末屋…いや、成が言うには"殺し屋"の出来上がり。」
「……なるほど。要するに、その殺し屋は自分の仲間を全員殺した殺人のスペシャリストというわけか。」
「そう。どんな戦いでも殺人スキルは高い。銃であれ、接近戦であれ、相手が一個の組織であろうが全員を殺す。」
「……フッ。面白い。」
思わず笑みが溢れた。
皆川はいつからそんなかくし球を持っていたんだ?PSPに気付かれず、大事に。
「陸。調べはついているんだろう?何人いるんだ?」
「少なくとも9人はいると思われる。だが、その国籍、人相、名前等、詳細は不明。
…本当に一切のデータがないんだ。そこで手詰まりになった。」
「…level5を開く。そいつが心の言う皆川の部下ならば相当厄介だぞ。
何でもいい。どんな些細なことでもいい。少しでも情報を手に入れろ。」
「はっ。」
…恐らく、俺を撃ったのもそいつだろう。
もし皆川の死に対する復讐ならば厄介だ。
…俺は強さを兼ね備えた復讐者の凶暴さを知っているのだから。
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