"雨の後は上天気"編_漆

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  私を導き、解放し、守り続けてくれた人。 これ以上、鏡に望むことはない。 これ以上、鏡との間に何の誓いも将来も・・・何一つ、必要がない。 もちろん、彼を男として意識していない、とは言えない。 不意に、その瞳に囚われ、心臓が跳ねたり 彼の熱を思い出し、混乱することさえ、ある。 でも、そうじゃない。・・・そういうのじゃない。 何と言えばいいか・・・ 蓮を求める様に、意識するように、鏡を求めていない。 そこに居るのが当たり前で、大切な、かけがえのない人だけど それは、恋人同士という答とは違うのだ。
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