いちごみるく

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あれから3日後、期せずして真実を知る事になった。 寮で夕飯を食べた後、各自部屋で寛ぐ時間。 俺とトノとそして同じ寮の1年の利根とは、たまにこうして集まってはお菓子を広げ、何でもないようなことを話したりしている。 いつものことだ。 この日も利根が部屋に来て、3人で過ごしていた。 「やっぱりこの学校は萌えの宝庫だよなー!今日もいい写真が撮れた!」 うししっと嬉しそうに笑いながらスマホを弄る利根に、見せて見せて!と覗き込んでるトノを雑誌を捲りながら横目に見ていた。 腐男子というもの、萌えとはなんぞや、と意味のわからない講義を受けたのは入寮2日目だった。 今ではこれももはや日常。 最初はこんなに同性同士のカップルがいるのかと驚いたものだ。 「あっ!!ヒメ!見てみて!」 「なぁに?」 少し興奮気味のトノの後ろからスマホを覗き込んだ。 「あ……ッ」 画面いっぱいに写っていたのは、今にも唇がつきそうな程抱き締め合っている渡辺先輩とあのマネージャーだった。
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