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その日は勉強も手につかなくて、なんだかぼんやりして過ごした気がする。
それでも、一緒に寝るとベッドに潜り込んできたトノのお陰で温かくてゆっくり眠れた。
また、気付かれてたのかな…
小さい頃はよく同じ布団で寝ていたけれど、大きくなってからはどちらかに何かがあった時だけだ。
また心配させちゃった。
もっとうまく気持ちのコントロールできたらいいのに…
寝起きのぼんやりする頭で学校へ行く支度をしなきゃなぁーなんて思いながら、まだ微睡みの中にいた。
また1日が始まる。
この学校へ来た意味をなくしても、学校を辞めたいという気持ちは1ミリも起きなかった。
クラスメイトも寮生も先生も、みんないい人たちだし、何より始まったばかりの高校生活が楽しかったから。
そのことがなによりも救いだった。
「トノ起きてー!もうすぐ朝ごはんの時間だよ~」
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