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俺の部屋で寝そべりながらパラパラと資料を捲る。
「制服かっこいいね!県外だとどぉやって通うの?」
「寮があるみたいだから…」
「そっか!じゃあずっと一緒にいれるね!」
ニコニコと楽しそうに話すトノに、やっぱり申し訳なさでいっぱいになる。
俺の我が儘だし、動機も不純だし。
「ヒーメ!楽しみだね!なんだかワクワクしてきたよ、俺」
大丈夫だよ、そういうように優しく微笑んでくれる。
何も心配するなと、ひとりにしないから、と。
「ありがとね、トノ」
泊まるの久しぶりだから夜更かししようとお菓子の袋を片っ端から開け始めたトノに、俺も漸く笑いがこみ上げてきた。
「ヒメ…大事な事忘れてたよ俺……」
一頻り笑いながらお菓子を摘んでいたら、急に真剣な表情を向けられて俺も身構えた。
「な、なに…?」
「そこ…俺の頭で入れる?」
お互い真面目な顔で見合わせ、一番大事な事に今更ながら気がついた。
「一緒に、が、頑張ろうね」
「う、うん。ヒメ…全面的によろしくお願いします」
固く握りあった手をもう一度握り直し、誓い合った。
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