序章 終わり

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「ああぁあぁああ」  泣くことさえ忘れてしまうほどの深い絶望は、嘆き共に膨らみ、世界を灰色に塗りつぶしていく。  見据えた。小さき少女を殺した者を。その姿は、色で表すと白以外の何物でもなかった。白い鎧を身に纏い、白い兜を被っている。その兜の間から覗く鮮血のような赤い炯々たる眼が、首から上が、静かに少年へ向いた。天使を彷彿とさせる、輝き。  視線が自然と出逢う。  悲しみは憤怒と化し。全ては夢だったかのようにおぼろげで、現実は記憶となって霧散していく。
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