序章 終わり

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 ああ――憎い。憎い憎い憎い。  殺してやる殺してやる殺してやる。  少年は剣を想像した。剣を――二振りの剣を。突如、どこからともなく現れた煙のような濃紺の闇は両の手に凝縮され、物質化し、黒色の鉄剣として創造される。両手に握られる二振りの、漆黒の剣。その黒は、純粋に破壊へ特化した闇。 「――ッ、うぁあああ!」  地を踏み、風を切り、駆け出した。左手を前へ、右手を後ろへ構え、疾風のように走る。目指すは少女を殺した白を纏う者。
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