標的2 笹川京子

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「さっき、捨てられて・・・・・・」 「そっか」と相づちを打って、弥王は「やっぱりか」と思った。 平気で卵を投げてきたりするほどだ、捨ててもおかしくはない。 弥王は弁当箱を鞄から取り出すと、今朝作った弁当を京子に差し出す。 「それ、食べな」 「え・・・・・・でも、神南君は?」 短く言われた言葉に京子は戸惑ったように弥王を見た。 制服を借りて、更に弁当まで貰うなんて悪い、と思った京子は、弁当を弥王に返そうとしたが、それは弥王によって拒絶された。 「オレは朝、買い食いしたから平気だ。 それに、笹川さんの為に作ったんだ、だから・・・・・・食べてくれないか・・・・・・?」 勿論、これは京子に食べさせる為の冗談である。 ツボを狙って、努めて困った様に言ってみると、京子はクスクスと笑い出した。 あ、やっと笑った。弥王もつられて微笑んだ。 「神南君、面白い事言うね、あはは! じゃあ、貰って良いかな?」 笑った後、弥王が頷いたのを見て、京子は弥王の弁当を食べ始めた。 その様子を見て、弥王は「あ、可愛い、小動物みたいだ」と微笑ましく見ていた。 どうやら弥王は一目惚れしたようだ← 弁当を食べ終わって、一息吐いた時、弥王は口を開いた。 今、クラスで起こっていることを訊こうと思っていたのだ。 「何があったのか、訊いても良いか? どうもオレは、単純に彼奴らの言葉を信じて良いのか解らない。 笹川さんの話も聞かないといけないと思ってな」
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