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いきなりの事に頭が混乱して、京子は「違う・・・・・・」と首を振るしかできない。
京子の目に絶望と信じて貰えない悲しみが映り、その目から涙が伝い落ちた。
「――――それから、皆から虐められるようになったの」
今にも泣きそうな顔で、京子は全て話した。
初めて会った弥王にこんな話をするのはどうかと思ったが、今の京子にそれを考える余裕はなく、どうしても彼には本当の事を話したかった。
何故かは解らないが、彼が自分の知り合いに似ていたのもあるのかもしれない。彼なら信じてくれそうだと、直感したのだ。
京子の直感は当たっていて、弥王は考え込むような顔をした後、京子に訊いた。
「彼奴ら、元々居た笹川さんじゃなくて、転入生の木吉の方を信じたのか。
どういう脳内構造してんだ?
それで・・・・・・学校側は何て言ってんだ?
まさか、教師もそんな話信じてんじゃねぇだろうな?」
心底信じられない、と言った顔で今は居ないクラスメイトに毒づくと、その後でまさか、と言う様に訊ねる。
これで、教師も同じなら本当に滑稽だ。弥王は京子の言葉を待った。
だが、その間で何となく察した。“あぁ、教師は何処行ってもクズだな”と。
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