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京子は首を徐に振ってみせた。
「全然だめ。
学校側は木吉さんの息の掛かった人達ばっかりだから、全然受け合ってくれなくて・・・・・・。」
京子の言葉に弥王は頭を抱えたくなった。
どうせ、大金でも献上してもらってんだろう。その為、一般の生徒の言葉は戯れ言扱いするしかない、と。
弥王は改めて世の中の汚さを見た。
「で、家族は?
流石に木吉の息が掛かってるなんてないだろ?」
そうは言ったモノの、弥王は何となく予感がしていた。「家族も木吉側だろう」と。
学校側はどうあっても京子が虐められている事を揉み消して、木吉が虐められていると言う事を言っているだろう。真実を偽って。
そんな気がしてきた。
そして、弥王の憶測は京子の回答により確かな物になった。
「両親は私が悪いって。
私の話は聞いて貰えないし、兄も木吉さんを信じ切っていて・・・・・・」
「成る程?
家に居ても学校に居ても居場所がない、と。
辛かったな・・・・・・良く耐えたよ」
「う・・・・・・っ、うぅ・・・・・・っ」
京子の話を聞いた弥王は、京子の頭を撫でた。
今まで堪えていたモノが壊れたかのように止め処なく京子の目から涙が零れていく。
弥王は、ここまで聞いて、現状を見過ごす様な事が出来なくなった。
何とかしてあげたい。何とか、この傷付いた天使を守ってあげたい。
そんな思いが芽生えてきた。
さぁ、どうすればいい?どうやって、この現状からこの子を救い出せる?
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