標的2 笹川京子

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まさか、潜入先の学校で標的に近付く前に虐められている天使を見つけるなんて思わないじゃないか。しかも、時間外だし。 そんな事を頭の隅で思いながらも、しっかりとこの先どうしようかと考える。 京子が静かに泣いている嗚咽だけが午後の屋上に消える。 その間にも弥王は黙って考える。 居場所・・・・・・遠ざける・・・・・・。 ん・・・・・・?遠ざける・・・・・・? 学校では無理だが、家では・・・・・・? 何気なく考えていたワードを手繰り寄せて、弥王は妙案が浮かんだのか、いきなり立ち上がった。 「っし! 話を聞いたら、やる事は二つだな」 「え・・・・・・?」 弥王がいきなり立ち上がったからなのか、京子は泣き腫らした顔でキョトン、と弥王を見上げた。 勿論、京子の表情を見ていた為、弥王は内心、騒ぎまくっていた。 ちょ・・・・・・その仕草、可愛すぎる!!天使!天使!!てんしぃぃぃぃぃぃいいい!! 勿論、京子は弥王がそんな事を思っているなんて知る由もない。 弥王はそれを表に出さないように、京子の疑問に答える。 「まず1つ。 オレが笹川さん側に付く」 それを聞いた京子は弥王が解る様に顔を真っ青にした。 「でも・・・・・・そしたら、神南君まで巻き込んじゃう!!」 「良いんだよ。 んなモン気にしねぇし、虐めくらいで屈するオレじゃねぇよ。 こう言う事は馴れてるからな。 だから、一緒に頑張ろう」 今にも倒れそうなくらいに顔を青くしている京子に弥王は笑いかけた。 安心感を誘う弥王の微笑みに思わず京子は頷いてしまった。 そんな京子を満足げに見て、弥王は続けた。
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