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「んで、二つ目は笹川さんを一旦、家から引き離す」
弥王の言葉に、「え・・・・・・?」と疑問符を浮かべて返す、京子。
弥王の言葉の意味が解らなかったらしい。
「要するに、暫くオレの家で生活しなよ、って事」
「えぇっ!?」
弥王の言葉に京子は目を見開く。
京子としては今日会ったばかりの人にそこまでお世話になるなんて、気が引ける。
「そんな、悪いよ!」と断りを入れようとした京子に弥王は更に押す。
「全然、気にしなくて良いよ。
部屋なんて腐るほどあるし、同棲するワケでもないしな。
ただ少し、ルームシェアをするだけだ。
それに、家が苦痛ならそこから逃げるのも一つの手だぞ。
笹川さんは取り敢えず、落ち着ける場所が必要なんだ。
何なら明日まで考えて、答えを聞こうか。
それなら良いか?」
ふわりと弥王に微笑まれて問われて、京子は強く言い返せずに頷く。
何か、流されたような気もするが、弥王の言う事も確かで、京子は自分が思っている以上に憔悴していた。
弥王はそれを見抜いていたのだろうか。
或いはただ、京子から話を聞いて、家族から離した方が良いと思っただけなのか。
それは、弥王にしか解らない。
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