標的1 木吉レーナ

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「ねぇ、神南君! 何で右目隠してるの?」 「身長、どのくらい?」 「誕生日教えて!!」 「彼女居る?」 「好きなタイプ教えてよ!!」 「目尻の模様、ペイント?」 弥王が席に着いたと同時に、女子は速攻に我先にと弥王の周りに集まって、口々に質問し始める。 オレは聖徳太子じゃないんだが・・・・・・と苦笑しつつも、弥王は丁寧に答えていった。 「右目を隠しているのは、オッドアイだから。 身長は確か・・・・・・175センチくらいだったと思うぞ? 目の下のは生まれ付き。 で、彼女は居ない、好きなタイプは、大切な人間の為に体を張れるような強い人」 その後も、LHRと言う名の自由時間を弥王は質問攻めにあっていた。 日本人は奥ゆかしいというイメージを持っていた弥王は、あっさりとイメージが崩れたと苦笑する。 何処でもやはり、人間は変わらないなぁ・・・・・・。 それをしみじみ思った午前の授業中の出来事だ。 ちなみに、右目も見せてよ!!という声にはやんわりと断りを入れていた。 丁度、1時間目が終わり、チャイムがそれを告げていた頃。 がらっ、と教室の扉が開いて、1人の女子生徒が入ってきた。 その女子生徒は泣いていたらしく、目尻を手で拭いながら自分の席に向かっていた。 それを心配そうに生徒達が囲んで介抱する。 「どうしたの、レーナちゃん?」 「何かあったの!?」
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