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青「ありがとう」
礼を言ってお茶を戴く。
飲んでみて気付いたが、俺はよほど喉が渇いていたらしく、グビグビと淹れてもらったお茶の半分以上を飲みきってしまった。
そして夕飯前だから軽い本のちょっとの茶菓子を摘まんで食べる。……一回り近くの生徒に「(茶菓子を)摘まんでください」と言われたのは初めてだったが、何だかそれも星野さんにはピッタリ合っていた。
青(きっと家族の誰かが使っていた言葉だったんだろうな…)
しばらく待っていると星野さんが作り終えた焼きうどんとワカメのスープを持ってきた。……美味しそう…ゴクッ。
すると何かを思い出したのか、またキッチンに戻った。何か忘れたのかな?
莉「……先生よかったらこれもどうぞ!」
青「漬け物?」
出てきたのはサラダ……というより漬け物だろう。きれいに切り揃えてあるし。
莉「はい、貰い物なんですけど…」
漬け物は嫌いじゃないし食べてみるとちょうど良い漬かり加減の漬け物だった。
青「戴きます」
莉「戴きます」
一口…焼きうどんを食べて思ったのは……
青「………美味しいよ」
本当に美味しかった。そう伝えると星野さんの表情は見るからに安堵していた。
そして気付けば完食していた。
青「ご馳走さま」
莉「お粗末様でした…」
少し胃を休めて星野さんにまたお茶を注いでもらって時間が来ると、戸締まりをしっかりさせて俺は外に出た。
まぁ、こういう事もあって良いかもね。
END
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