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今まで見てきた女子達はこの前者だ。
しかも星野はごく自然に箸を動かしていた。………普段からしている動作というわけだ。
星野はどうやら濃い味が好みらしい。
現に、普段薄口を好む俺からすると今日の漬け物は少ししょっぱく感じた。……が、星野は俺と逆の事を口にした。
莉「……しょっぱくもなく、かといって薄くもないし…いい塩梅」
蓮(ほぅ……)
俺はノートにすぐに書いた。星野は結構面白い事が多いかも知れない。
部活が終わって家に帰り、いつものように空の弁当箱を出して星野が俺に聞いてきた事を母親に聞いてみた。
「……え、うちのぬか漬け?確かに風味付けに山椒は少し入れているし、鷹の爪も入れているけど…どうして?」
蓮「いや…今日漬け物が好きだという生徒にあげたら美味しいと言って、山椒が入っているのかと聞いてきたので…」
と母親に今日あった事を話すととても嬉しそうな顔をしていた。
後日――――
「蓮二さん、これをその星野さんて子に渡してあげて」
蓮「……これは?」
「我が家のぬか漬け♪」
話しただけで母は星野を気に入ったらしい。まぁ、自分が漬けた漬け物を美味しいと言われたら嬉しいのも分かるしな…。
蓮(だがしかし…;)
季節は春だから腐るという事はないだろうが、やはり心配だ。精市に話して放課後まで部室の冷蔵庫に入れていようか…。
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