ある合コンの話

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「と、と、と、兎上ィ……」 「俺達、一体どうすれば……」 予想の遥か上を行く超展開に、男性陣は最早、パニックを通り越して放心状態だった。 目に涙を浮かべながら、俺の助けを求めるかのような視線を向けてくる二人。 「…………」 すまん。神崎、鬼瓦。 俺としても、なんとか状況を打破できればと色々画策していたが……これは完全に予想外だ。 まさかあの二人がここまで用意周到とは思ってなかった。 というか予想できないだろ、こんなの。 どう考えても無理ゲーだ。 一体どこの世界に合コンに挑むに際して、部下5人をあらかじめスパイとして現地に送り込む人間とか、店ごと乗っ取って魔改造までしてくるような人間とかがいるんだよ。 いや、まぁ、いるんだけれども。しかも目の前に。二人も。 「……諦めてくれ、神崎、鬼瓦。流石にこれはもう逃げられない」 そう。 こうなってしまったのなら、もう逃亡という選択肢はないのだ。 俺達は、この王様ゲームを乗り切り、合コンを完走してみせる他ない。 「嘘だろ、そんな……」 「あ……あ……あ……」 俺のその残酷な宣言に、二人の表情はすぐさま絶望に染まる。 その様子は、まるで死刑宣告を受けた受刑者のような顔面蒼白っぷりだった。 一応忘れないように言っておくが、俺達は今、合コン中である。 「兎上様の仰る通りです。両刀使いの名に懸けて、決して逃しはしません。骨の髄まで余すことなくしゃぶり尽くさせて頂く所存ですので、あしからず」 「そうそう。世の中の可愛い幼女達に対して、リスクを最小限にしつつアプローチをするとなると……やはりこういった形で他人の力をお借りするのが一番ですからね。ただでさえ、私は何故か最近警察にマークされていますし」 何やらヤバイ発言が聞こえてきているが、なんというか、もう溜息しかでてこない。 何度も何度も繰り返し言うようだが、只今絶賛合コン中である。 合コン中に飛び出している発言がコレである。 「嫌だあぁあああああああ!!死にたくないぃぃ!!」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!許して下さい調子乗ってすみませんでした!ああああああああ!」 「兎上ィィィィィ!!助けてくれお願いだあぁぁぁぁ!」 「兎上!兎上ィィィィィ!!」 合コン中ったら合コン中なのである。
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