教会にて

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「クレイ、皆を頼むぞ。」 イシュタルへの祈りを済ませた後に父、カーンが言った。 明日はバルマントル騎士団の出兵の日であり、クレイの誕生日でもあった。 「ようクレイ。お祈りは終わったかい?」 親友のジェイズが言う。 「なあ、いい加減にお前も剣習えよ。  父ちゃん凄えんだからよ。」 クレイが口を開く。 「僕は魔法で...」 ジェイズが遮る様に言った。 「お前ん家明日から父ちゃんいねえんだぜ?」 「ゴブリンの一匹や二匹追い払えるぐれーねえとなぁ。」 「何なら俺が教えてやろうか?」 クレイは掌を上に向けた。 「僕には魔法があるから。」 そう言った後に何かを呟く。 その直後に上に向けたクレイの掌から炎が噴き出した。 「わかった!!わかった!!やめろって!!」 「やめないか!!クレイ!!」 ジェイズとカーンの大きな声と同時に教会の人間達がクレイの方を向く。 そしてだんだんと教会中がざわつき始める。 「何が起こったんだ?火事か?」 「違うアイツだ!!またアイツが火を出してるぞ!!」 「クレイの奴か!!」 クレイは炎を止めた。
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