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どうしよう。いつどのタイミングで、もう帰ってくれと切り出せば良いんだ。
何をどうしたらいいのかわからず、嶋野が読み終わった巻を拾って読む。
読むスピードが俺より遅いから、すぐに追いついてしまって更に間が持たない。
何冊か読んだところで、もう遅いからと帰り支度を始めてくれて、正直ほっとした。
誰かと2人きりで外で食事をして、家に遊びにきて。
そういうことがあまりに久しぶりだったので
身体も頭も追いつかなくて疲れてしまった。
まあ、たまにはこういう経験もしておかないと。社会性を補う為に。
帰り際に嶋野はにやりと笑いながら言った。
「また来ていい?」
今度こそ、社交辞令だろう。
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