#05

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思う存分撫でてもらって気が済んだのか、 白猫はにゃあと一声鳴いて車の下へ潜っていってしまった。 「じゃあ、そろそろ行くか」 「うーん、俺一回家帰る。用事が済んだら夕方また行くわ」 「夕飯は?」 「浅川の家で作るよ。なに食べたい?」 嶋野と別れて、朝の水色の空を見上げながら、駅の反対側の我が家まで1人で帰る。 パーカーのポケットに手をつっこんで、頭の中で鳴るリズムに歩く速度を合わせて、 日曜の早朝の人気のない道を1人で歩いて帰る。 でももう、いつもの1人とははっきりと違うのだ。 この日々がいつまで続くかはわからないけど、 当分はそれを当たり前だと思って続けていきたい。 コーヒーが冷めてしまったら、また温かいものを淹れ直せばいい。 そうやって2人で乗り越えていければいい。
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