#06

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ドアを開けると浅川は明らかにさっきまで寝てました、という顔をしていた。 「寝てた?」 「寝てた。一日中寝てたからだるくて。風邪薬で寝るとだめだわ。気持ち悪い……」 「普段の休みの日も一日中寝てるくせに」 眠たそうにしている姿は凄く無防備で、いつものつんけんしている様子が嘘のようだ。 飼われてる猫が人見知りしないで寄って来るような、あんな感じ。 中華スープの素と蒸し鶏と椎茸で中華風粥を作って部屋へ戻ると、 浅川はベッドで寝息を立てていた。 こいつは本当、寝てる時が一番幸せそうだな。 俺が今日会社で何やらかしたかなんて、こいつは全く知るところではないんだろう。 知られても構わないけど、気恥ずかしいので知らないままでいて欲しい。 本当の気持ちはどっか少しぐらい秘密にしておきたい。
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