#01

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その晩、宣言通りに嶋野はやって来た。 会社を出る前も出た後も何の言葉もメールも交わさなかったから、油断してた。 駅前の弁当屋で買った夕飯を食べて、 風呂から出てくつろいでるところにチャイムが鳴った。 この時間差攻撃は、一緒に帰るところを会社の誰かに見られたくなかったのだろうか、 などとひねくれた想像を巡らせてしまう。 「お茶飲みます? コーヒーか紅茶か」 「おお、ありがと。どっちでもいいよ、おかまいなくー」 「じゃあコーヒーで」 「濃いめミルク多めで砂糖なしな」 なんかこう、いちいち一言余計というかなんというか。 誰に対してもこうなのか、俺だけにこう横柄なのか。 「コーヒーミルクないから、牛乳でいいですか」 「いいよ。俺カフェオレ大好き」
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