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コーヒーを淹れて部屋に戻ると、
嶋野はこの間みたいにごろんと座椅子に転がって漫画の続きを読んでいる。
持って帰るんじゃなくて、ここで読むのか……。
漫画喫茶として利用されているような……。
「インスタントじゃなくて、ちゃんとドリップで淹れてんの?」
「まあ、こだわりっつーか……手間でもその方がおいしいじゃないですか」
「そだね。その方がうまいな」
何の言葉も交わさず、ただただ漫画を読んで、カフェオレを飲んで。
同じ部屋にいるだけ。それだけの時間がすぎていく。
「じゃあ、そろそろ俺帰るわ」
なんなんだ、一体。
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