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どこにいっても「みんなとなかよく」は出来なかったし、
誰かといてもいつもどこか寂しいような感じがして、1人でいると安心出来た。
一緒に帰ったり昼食を食べたりする友達はいたけど、
休みの日に遊びにいくことはなかった。
1人で映画を観にいったり、あてもなく自転車でふらふらしてるのが好きだった。
そうしていると、だんだん自分の中が透き通って研ぎすまされていくような気がした。
1人でいるとつまらなくない? って訊かれることは何度もあった。
それは単に隙間を自分で埋められるか他人に埋めてもらうかの差だろう。
俺は自分で埋められる。他人の手を煩わせることなく。
その考えに、もう1つ選択肢が加わった。
他人を構うことで自分の隙間を埋めるやつもいるということだ。
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