#02

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昼休みが終わってデスクに戻ってきた嶋野は、ちょっと不機嫌そうだ。 「先程は失礼致しました」 「……まあ、あれくらいのミスは誰でもあるから。代替案はあるから気にするな」 「はあ、お手数かけます」 わざとやったわけではないのに、変な罪悪感が残ってしまった。 嶋野が毎朝うちで弁当作って渡してくれるわけじゃないんだから、 こういう偶然は今後も起こるだろうに。 どんな言葉をかけるべきか、どんなメールを送るべきか。 即座に対応出来ない、そういう技量のない自分がつくづく嫌になる。 嫌だからって逃げ回ってきたツケを支払う時が今なのか。
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