#02

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その日の夕飯は、ピーマンの肉詰めだった。 「こうすればハンバーグ感も薄まるだろ。このハンバーグ部分、半分豆腐なんだよ。豆腐ハンバーグも冷凍用に作り置きしてあるから」 ああ、だめだ。こういうとこ、嶋野には絶対適わない。 俺なら多分、ずっと拗ねてたままだった。 どうやったら嶋野みたいに振る舞えるんだろう。 他人をうらやんだって仕方がないのに。 「……早起きするよう頑張る」 「なに、その夏休みの目標みたいなの」 ちゃんと毎朝弁当が作れるように、早起き出来るようになろう。 ローテーブルを挟んで向かい合って座る嶋野の顔を見て、そう思った。 「こないだのDVD、もう返しちゃった?」 「ある。もっかい借りてきた」
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