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「おいおい、なにさぼってんだよ。あとどんくらい?」
「いや、えっと……帰ったんだと思ってた……」
「ほれ、差し入れ。さぼんないように横で監視してやっから、さっさと終わらせて帰ろうぜ」
あたたかいカフェラテのカップと、
紙袋の中にはチョコチップとくるみ入りのスコーン。
隣のデスクで自分の分のカフェラテを飲みながら、嶋野はじっとこちらと見ている。
「じっと見られると捗らないんだけど……」
「見られたくないなら早く終わらせないと。がんばれー」
俺も食べたい、
と嶋野がスコーンを半分に割るとぽろぽろとくずが机の上にこぼれたので、
黙って紙袋の端を破って広げると、
俺がかえって邪魔してるみたいだなと少し笑いながら言った。
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