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ブラックコーヒーのままだと苦くて飲めないから、ミルクを足すように。
甘さを注げる分があるならば、そこに甘えたっていいのかもしれない。
頭の中がふわりとなって、まっすぐ歩ける自信がないから、
歩道に引かれた白線に添って歩く。
駅からアーケードを抜けて、通りから路地に入ると、アパートが見える。
俺の部屋に明かりが点いているのを見るのは、誰かが帰りを待っているのは初めてだ。
あそこに、俺と同じ時間を過ごしたいと思っている人がいるのだ。
いつかの自分に、怪物と手を繋げる日が来ることを教えてやりたい。
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