#04

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デザートにコーヒーゼリーも作った。 箱に書いてある分量の目安がいまいち掴めず、思ったより大量に出来てしまった上に、 ゼリー型がなかったからお椀で作ったので、一人分が結構な量になった。 それをまた嶋野は、いかにも料理初心者らしくて可愛げがあると言った。 「こういう可愛げのあるとこ普段から見せればいいのになー」 「別に……その必要性は感じてない」 ははっと笑って、俺になら見せてもいいんだ? とにやにや笑う。 「あー、でもおまえってさ、俺には隣の席だからやらないけど、会社で人に話しかける時にさあ……」 嶋野はそこまで言いかけて、まあいいや、と止めた。 「……なに? 会社で、なに?」 大したことじゃないから気にすんな、と。 「凄く好きなものって他人には秘密にしておきたいもんじゃん?」 そんなものなのだろうか。 真っ黒なゼリーの上に生クリームをかけて、スプーンで潰して混ぜる。 苦さと甘さが混ざって溶け合って、ゆっくりとお互いの色に染まっていく。
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