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「前に飲み会で浅川くんの話になった時があってね。嶋野くんが『あれはあれで懐いてくると結構いいやつなんで、大目に見てやって』って言ってたんだよね」
「大目に見ていただけてますか」
「見てるわよー。はじめは嶋野くんが面倒見いいから一方的に構ってるだけだと思ってたんだけど、ふたり結構仲いいよね」
「はあ、そうっすね……そう見えますか」
「違うの?」
「いえ、そう思っていただけると有り難いです」
なにそれ、と高坂さんは笑って俺の背中をどんと叩いた。
なるほど。俺の関知しないところでそういうことを。
昔の俺ならそれを余計なことしやがってと思っていたけど、
今はそういうんじゃないんだ。
もっと優しい人間になりたい。自分の為にも、嶋野の為にも。
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