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食後の甘くないカフェオレを飲み終わって、
だらだらとベッドの上で重なったり離れたりしながら映画を観る。
ひざの上で猫みたいに扱われたり、服の下を弄られたり、
気まぐれに手を払いのけたりの繰り返し。
「そういや前に、俺のこと近所の猫に似てるって言ったじゃん。あの猫、見せてよ」
俺がそう言うと嶋野は、見せてよって俺のものじゃないのに、と。
俺もおまえのものじゃないけどな。それは心の中で思うだけ。
他の誰かに自分のことを全て好きになられてもいいと思えるほど、
無防備にはまだなれないけど。
少しだけなら差し出せるようになりたいとは思ってる。
上手く出来ないだけで。
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