192人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
「全然似てない」
「質感が似てる」
質感ってなんだ。
もさもさと腹の毛を撫でてやると、白猫は気持ち良さそうに目を細めた。
絶対似てない。
耳の後ろと、あごの下。
猫も人間も撫でてもらって気持ちのいいところって一緒なのかな。
もっと撫でて、とでも言うように喉を鳴らして腕にすり寄ってくる。
俺はこんなことしない。絶対似てない。
「触らないの?」
「だから、愛嬌振りまいてちやほやされてふんぞり返ってるようなやつを、甘やかしたくないんだって」
「随分な言い方だな……じゃあ、こいつは嶋野に似てる」
「まあ、似てるよね」
そういうとこ、あっさり認めるんだな。
最初のコメントを投稿しよう!