#05

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「全然似てない」 「質感が似てる」 質感ってなんだ。 もさもさと腹の毛を撫でてやると、白猫は気持ち良さそうに目を細めた。 絶対似てない。 耳の後ろと、あごの下。 猫も人間も撫でてもらって気持ちのいいところって一緒なのかな。 もっと撫でて、とでも言うように喉を鳴らして腕にすり寄ってくる。 俺はこんなことしない。絶対似てない。 「触らないの?」 「だから、愛嬌振りまいてちやほやされてふんぞり返ってるようなやつを、甘やかしたくないんだって」 「随分な言い方だな……じゃあ、こいつは嶋野に似てる」 「まあ、似てるよね」 そういうとこ、あっさり認めるんだな。
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