192人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
「子供の頃にさあ、俺、同級生に八方美人だって言われたんだよね」
「大体合ってんじゃん」
「まあね。小さい時に親が、誰にでも優しくしていつでも愛想良くしていれば誰からも好かれるって言うから、ずっとそうしてて。実際友達いっぱいいて好かれてたから、俺のこと嫌いな人間なんていないと思ってたから」
「……それは物凄い馬鹿だな」
「子供の頃の話だからね。……だから優しくしてたつもりなのに、自分のことを批判するようなことを言われたのがショックで。意地の悪いことをそいつにしたりして。まあ、今思えば友達だと思ってた奴らにも影で色々言われてたのかもしれないよな」
正直、ちょっと安心した。
嶋野はいつも善人で余裕で生きてるもんなんだと思ってたけど。
案外そうじゃないのか。
誰かに好かれたり優しくされたりしたいと思うのは、同じなんだな。
最初のコメントを投稿しよう!