第1章

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誰かを好きになる、 それだけのことが、 こうも気持ちを明るくしてくれるものだったとは。 話さずとも一目姿を見るだけで胸がどきどきと鼓動し、 他のことに集中できなくなる。 麻斗のことばかりに意識が向き、 他のことなどどうでも良くなる。 全てが、 麻斗でいっぱいになった。 そんな毎日が、 ひばりにとっては、 とても楽しくて仕方がなかった。 一人で心細かった大学生活も、 麻斗のおかげで全てが変わった。 ひばりにとって、 麻斗が全ての中心になった。 麻斗と一緒にいられるだけで楽しくて、 どきどきして、 幸せだった。 彼と共に過ごせるこの時間が、 一生続くのではないかと、 そんな風に期待したこともあった。
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