77人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
一度は止まっていた涙が、
ぼろぼろと溢れだす。
同じ名前の彼女が現れてから、
約一ヶ月。
やっと、
ひばりは、
麻斗に自分の名前を呼んでもらえた気がした。
「ひばり、
好きだよ」
「っ、
……!」
麻斗のその言葉に、
ひばりの心は震える。
心が、
身体が、
麻斗の言葉に満たされていく。
昨夜は嬉しさだけが募ったが、
心にまで響くこと無かった。
それは、
麻斗の言葉が、
ひばりに向けてのものではないと、
そう勘違いしていたから。
だけど、
今は違う。
麻斗の言葉は、
麻斗の想いは、
全てひばりに、
ひばり自身に向けられたものだと知ったから。
最初のコメントを投稿しよう!