第1章

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一度は止まっていた涙が、 ぼろぼろと溢れだす。 同じ名前の彼女が現れてから、 約一ヶ月。 やっと、 ひばりは、 麻斗に自分の名前を呼んでもらえた気がした。 「ひばり、 好きだよ」 「っ、 ……!」 麻斗のその言葉に、 ひばりの心は震える。 心が、 身体が、 麻斗の言葉に満たされていく。 昨夜は嬉しさだけが募ったが、 心にまで響くこと無かった。 それは、 麻斗の言葉が、 ひばりに向けてのものではないと、 そう勘違いしていたから。 だけど、 今は違う。 麻斗の言葉は、 麻斗の想いは、 全てひばりに、 ひばり自身に向けられたものだと知ったから。
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