第1章

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「麻斗さん……俺も、 麻斗さんが、 好きです」 ひばりは、 初めて、 麻斗に気持ちを伝えた。 ずっと、 ずっと、 抱えていた想い。 知られることなく、 いつかは消えていくものだと、 諦めていた気持ち。 ひばりの言葉に、 麻斗は驚きに目を丸くする。 まさか同じ言葉が返ってくるとは思わなかったのだろう。 そんな麻斗がおかしくて、 ひばりは笑いながら、 腕を伸ばし、 麻斗の首に腕を絡ませた。 至近距離で見つめ合う。 ひばりは、 麻斗が好きだ。 麻斗は、 ひばりが好きだ。 勘違いから生まれた距離は、 埋められた。 誤解も、 不安も、 何一つ消えてなくなった。 今はもう、 お互いの言葉、 想い、 全てを受け入れられる。
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