第1章

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特有の明かりと、 曲に合わせて煌びやかに光る壁の絵。 そんな中、 仲間達が楽しげに歌って、 飲んで、 踊っている。 飲み会も始まってからかなりの時間が経ち、 酒の勢いもあって結構な盛り上がりを見せていた。 初めの頃は歌わないかとマイクを勧めてくる人もいたが、 今では皆歌いたい人が好き勝手に曲を入れていて、 自分の番などくることもない。 それを悲しいと思うほど歌が好きなわけではなく、 今はむしろ放っておかれている状況が気楽だったりする。 そんな仲間達のカラオケを聞きながら、 ひばりは本日何杯目かわからないピーチサワーに手を伸ばした。 こくりと飲み込むと、 氷も解けて炭酸の抜けた、 甘ったるい液体が喉を通っていく。 新しいのを注文しても良いが、 それには立ち上がって入口近くに設置されてあるインターフォンをとらなくてはいけない。
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