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ひばりは、
麻斗に惚れていたのだ。
毎日学校に通い、
共に笑い合う関係の居心地の良さに、
いつかこういう日が来ることを忘れていた。
麻斗とて一人の男なのだから、
彼女ができてもおかしくなかった。
むしろ、
今までいなかったことの方が不思議なぐらいだ。
それは頭でわかっていたが、
心が、
感情が、
それを受け入れてくれなかった。
信じられないと、
きっとこれは何かの冗談だろうと、
いつ麻斗が嘘だと笑いとばしてくれるんだろうと、
そんなことを期待してしまった。
実は幼馴染だとか、
兄妹だとか、
そんな言葉が彼の口から出るのだと、
本気で願った。
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