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あれは冬の寒さも大分和らぎ、
春の風が吹き始めた頃のこと。
入学したての大学のキャンパスは広く、
サークルを見て回ろうとしていたひばりは道に迷ってしまった。
人づきあいが苦手なこともあり、
入学して二日目だったひばりには親しい友達もまだいなかった。
一人で校内を見て回ろうとしたのが運のつき、
誰にも頼ることができず、
かといってそこら辺を歩く人に道を聞く勇気もなかった。
戻るにも今自分がどこにいるのかも解らず、
地図を探そうにも校内にそんなものは点々とあるわけもなく、
いよいよどうしたものかと途方に暮れていた時。
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