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だから、
こうして出会えただけでも十分だった。
今日一日、
幸せだったなと思い返せるぐらいの出来事だったのだ。
それなのに。
道を教えてくれるだけではなく、
案内までしてくれるという麻斗に、
ひばりはどう反応していいものか悩んでしまった。
『何、
お前、
俺のことが信用できないわけ?』
不機嫌そうに眉を寄せる麻斗に、
ひばりは慌てて両手を前に突きだし左右に振った。
彼を不快にさせようと思ったわけではない。
『いえ、
そんなことないですっ!でも、
迷惑じゃないですか?』
『迷惑なら、
最初から言いだしたりしないっつーの』
『あ、
それもそうですね』
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