災害の3

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警官に、担任が話しかけた。 しかし、その警官が返事をしようと振り向いた瞬間に、ゾンビと化した市民の1人が彼の首筋をかじった。警官が倒れたすぐ後に、警官を襲ったゾンビが担任を捕まえた。抵抗虚しく、ゾンビは腐った口で彼の首元を貪った。 新たな血が、校庭に幾何学的な図形を描いた。 さらに、滴って行く血だまり…もはや、彼らは生きてはいないだろう… しかし、先生がのそりと動き出した。 内臓が飛び出ながらも、ポタポタと口から唾液を垂らす。立ち上がった担任は、倒れた時に顔に付いた血を舐めながら、通り過ぎ行くゾンビ達に追いつこうと走り出した。 クラスメートの1人が俺に聞いた。 「…一体なんなのよ!あの人達!銃で撃たれても死なないし…第一、なんで先生はあいつらの仲間になるのよ!ねえのび太君!あいつらについて教えて!」 だが、揺さぶっても俺は、人形のように揺れるだけであった。 突然、前のドアが乱暴に開かれる。ドアを開けた本人は、舌なめずりをしながらうめき声を上げた。
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