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小走りで来る、体育の先生であったゾンビは、俺を揺さぶった生徒を捕まえた。
「やめて!死にたくない…いやぁぁぁぁぁぁぁー!」
絶叫を繰り返す彼女の首が、赤く染まった。教室の中で逃げ惑ったあげく、抜け出すことができなかったのだ。俺もその中の1人で、腰を抜かして立てないでいた…
先生が、残った俺に目をつけた。目だけが不気味に光る。顔は全体が血まみれだった。
俺はまだ正気が抜けたような顔をしていた。
「ウウウゥ…」
ゾンビはユラユラと近づいて来る。
ああ、ここで死ぬんだな…
俺は、心の奥でそう思っていた。別に逃げたくはない。母を殺したんだ。生きる意味はない…
ぼやけた目に、ゾンビが吹き飛ぶのが見えた。
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