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「…まだ生徒がいるはずなのに、何でこんなに扉がしまってるんだ?」
兄は首を傾げた。
「防犯のためじゃないのかな?」
「でも、裏口、児童用玄関にも鍵をかけていた形跡があった。六年生がいるはずなのに、なぜ?」
そう言って、腕を組んで考えている。
ここは、理科準備室。一通り探索をし終わり、ゾンビの入っていないここに一旦留まることにしたのだ。
「俺はちょっと仮眠をとる。昨日徹夜だったんだ。」
「分かった。俺はちょっと見回ることにする。」
「わかった。気をつけてな。」
「…とは言ったものの、特に行く場所はないかな…」
家庭科室にあった包丁を持って、俺は廊下を歩いていた。
「そうだ!あえて正門を見てみよう。理科室からも近いし。」
正門は、ゾンビによって怖され、扉の枠を残して、ガラスが飛散していた。
俺は自分のロッカーを開け、運動靴を出した。外に出るためには必須だが、出た後にどうするべきか…
「ナップサックでもあればな…」
靴をはいて、外に出た。靴底が厚いので、何とかガラスが刺さらずに済む。
運動場には、ゾンビや警官の血や肉片が散らばっていた。
最初に襲われ、死んだ警官の手にSIG226拳銃が握られていた。
そのSIGはホールドオープンしていた。よほど慌てて、全弾を撃ち切ってしまったようだ。
SIG226拳銃…俺も今、護身用に持っている。こうやっているのは8年半の間ずっとだ。
いつ何時、狙われるかもわからない。窓際には立たないし、盗聴の類は全て調べている…なのにあいつらは来る…必ず…
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