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理科室に戻った俺は、兄にこのことを話した。
「犬が吹き飛んだ?」
その云々を聞いて、兄は首を傾げた。
「うん。それも、こめかみに穴を開けて。」
「…銃弾…かな?銃声は聞こえた?」
「いいや、聞こえなかったよ。」
そう言うと、兄は思案顔になったが、しばらくして、口を開いた。
「それなら…多分、サプレッサーを装着したライフルだと思う。」
「じゃ、じゃあ、警察の増援でも来たのかな?」
のび太の顔が、少し緩んだ。
「そうだろうね。でも、校庭の警官たちが増援のために連絡してるないままゾンビに殺されてしまったとしたら…確実に救助が来るとは思えない。」
「そうかもしれないね…さっき近くまでゾンビが来てたし。」
「それで、そのハンドガンは?」
「SIG P226。さっき、校庭で拾ってきたんだ。」
「そうか…必要な時だけ使えよ。奴ら、ただ徘徊しているだけの可能性もある。」
その後、俺たちは、探索の準備をした。理科準備室には、コンパスとこの街の地形図があった。昆虫などの分布図を作成するためのものらしい。
兄は、鉛筆でとある道をなぞった。
「ここを通ったら、隣町につながる山に登る登山道に出る。それまで、生存者を探しながら行こう。」
「分かった。」
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