探索の4

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じゃあ行こう。」 兄は、椅子から外した鉄パイプを片手に、慎重に扉を開けた。廊下にゾンビがいないことを確認し、俺に向かって行け、とジェスチャーを出した。 俺はポケットにさしていたSIG拳銃を抜いた。 「脱出しようね、絶対。」 「もちろん。絶対だ。」 理科室の扉を開け、俺も廊下を確認した。今はゾンビの姿は見えない。 「先に行くからついてきて。」 「…あ、あそこに人影が…」 「えっ、どこに?」 「あそこだよ。ゾンビだったとしてもすぐ帰ってくるから、大丈夫。先に行ってて。」 「大丈夫なの?」心配など聞こえぬかのように、兄は奥に入ってしまった。 「…一緒に行くって言ったのに。」 この時はすぐに会えると思っていた…それが間違いだったと気づいたのは、このもっと後だった。
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