決闘(duel)の9

2/3

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「…来やがったか。」 奥の曲がり角から、俺の見知った姿が見えた。 「…須二夫?」 「ククククク…」 その男は、俺のクラスメートの須二夫であった。 「何故こんなところに?」 「聞くまでもない。お前は、2度も俺にしてやりやがった。」 「そんな覚えはない…一体?」 だが、問いを無視して彼はしゃべり続ける。 「リストにもお前の名前が入ってなかった…それに、ここまで侵入を許してしまった…」 彼は、普段と全く違う、黒い野戦服に身を包んでいた。背にはG3小銃が掛けられている。そして野戦服につくり付けのホルスターから、MEUピストルを抜くと、数回回した。 回転がスローになった気がした…そう思う前に、MEUの銃口が俺を指した。 「くっ…」 受け身になるが、一瞬応じるのが遅れた。 撃たれる? 「お前にしてやらせろ…タイマンだ。」 「やめてくれ!何かおかしくなったんじゃないのか?」 「いいや。お前こそ、もうそろそろわかってきたんじゃないのかい?」 普段の須二夫からは到底見当もつかない性格だ。高圧的にまくし立てられると、こちらも銃口を向けられているのを忘れてしまいそうになる。 「何をだ!」 俺のセリフを聞き流した後、彼は苦笑と哀れみの目を向けた。 「フッ…バカは一生か…勝負だ!来い!」
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加