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「…来やがったか。」
奥の曲がり角から、俺の見知った姿が見えた。
「…須二夫?」
「ククククク…」
その男は、俺のクラスメートの須二夫であった。
「何故こんなところに?」
「聞くまでもない。お前は、2度も俺にしてやりやがった。」
「そんな覚えはない…一体?」
だが、問いを無視して彼はしゃべり続ける。
「リストにもお前の名前が入ってなかった…それに、ここまで侵入を許してしまった…」
彼は、普段と全く違う、黒い野戦服に身を包んでいた。背にはG3小銃が掛けられている。そして野戦服につくり付けのホルスターから、MEUピストルを抜くと、数回回した。
回転がスローになった気がした…そう思う前に、MEUの銃口が俺を指した。
「くっ…」
受け身になるが、一瞬応じるのが遅れた。
撃たれる?
「お前にしてやらせろ…タイマンだ。」
「やめてくれ!何かおかしくなったんじゃないのか?」
「いいや。お前こそ、もうそろそろわかってきたんじゃないのかい?」
普段の須二夫からは到底見当もつかない性格だ。高圧的にまくし立てられると、こちらも銃口を向けられているのを忘れてしまいそうになる。
「何をだ!」
俺のセリフを聞き流した後、彼は苦笑と哀れみの目を向けた。
「フッ…バカは一生か…勝負だ!来い!」
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