決闘(duel)の9

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俺と須二夫は、片方はMEUを向けたまま、もう片方は腰を落とした構えをしたまま対峙した。 数秒を数えた後、俺はMEUの銃口を小さい手のさばきではじいた。あまった右手を、須二夫のチョッキの襟に伸ばす。しかし、相手の方はバク転によって避け、そのまま両脚を顎に振り上げた。 バックステップによってすんでのところで避けたが、よろけてしまった。立て直す間に、須二夫が曲がり角に逃げる。すかさず俺もそれを追う。 だが、壁から覗き見ると、待ち構えていたのかMEUを連射してきた。 彼はMEUにレーザーサイトを装着しているようだ。壁にレーザーが光って眩しい。 連射がおさまった。すかさずSIGを構えて飛び出すと、3連射を須二夫に浴びせた。彼の腹部に2発があたった。 「やるな!」 須二夫は少し怯んだが、左手で腹を押さえたまま奥に走って行った。 どうやら奴は防弾チョッキを着ているようだ。俺はまた、彼が曲がって行った角に走った。壁にレーザーが光っている… カランッ! 何かが近くに転がっていた。空き缶…? しかし、その近くにレバーが落ちているのを見た途端、反射で目を閉じた。 パァン 閃光手榴弾だった。閉じても隙間から入ってくる閃光に、視界がホワイトアウトした。耳鳴りに被さり須二夫の声が聞こえた。 「バカめ!その程度か?」 視力が戻った後で奥を見たが、彼はいなかった。 ダンダンダン! 「うぐっ」 左腕に、MEUの45ACP弾が突き刺さっていた。血が吹き出した。 「後ろだ!」 須二夫が、後ろから叫んだ。痛みをこらえて、俺はすぐさま後ろにSIGを連射した。 「ガハッ!」 弾が当たると同時に、彼の腹から鈍い音がした。衝撃で肋骨を折ったのだろうか。 「クズのくせに…」 そう言って、須二夫はMEUをホルスターに戻し、背中のG3小銃に手を伸ばした。俺は振り返った状態のまま、すぐに角に隠れる。 フルオートで、怒涛の銃声が響いた。アルミの壁を突き抜けた数発が、すぐ横を通り過ぎた。 「くそ!」 連射が止まったと思いきや、すぐにまた、さっきの手榴弾が転がってきた。 「引っかからないぞ!」俺は転がってきたそれを拾って投げ返した。 またもや破裂音が響く。覗くと、須二夫が目を塞いでうめいているのが見えた。 今っ! 俺は右手のSIGに、赤くなった左手を添えた。反動が感じられる。 撃った40口径弾は、出来杉の側頭部を貫いた。
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